JINDAIJI MOUNTAIN WORKS

2025/01/01 21:36

ムーンライトギア福岡での2日間のイベントが終わり、片付けをしながら東京から送り込んであったバイクパッキングの装備が入ったダンボールを解いた。PB HammockやPB Tarp等を取り出すと、ダンボールの底には、空気入れのチューブが横たわっていた。



MLG福岡店


イベント最後の夜になっても宿が取れていなかった。旅立ちの前夜くらいは足を伸ばして布団で寝たかったけれど仕方ない。今夜もMLG福岡のお店寝かせてもらうか、と思っていたら



「ウチで良ければ泊まります?」



福岡の古い友人のPくんが声を掛けてくれた。福岡に入って既に3日目。やっとスリーピングマットと寝袋の寝床とオサラバできる。


ゲストハウスMLG福岡


九州縦断バイクパッキングを目前に控えているにも関わらず、まだ鹿児島までのルートは決めていなかった。

今回は九州縦断。地形的にも九州西岸寄りの何かしらの国道を南下していけば鹿児島に着くはず。


鹿児島までの地図を見ても熊本までは福岡平野、筑紫平野、熊本平野と平野を繋ぐぎ南下するだけのルートで山岳エリアや峠道なども少ない。

まずは初日、博多からどこに向かうか。都市部を繋ぐセクションでもあるのでキャンプ場は皆無。なので何かしらのゲストハウスを初日の目的地にする事になるだろう。


宿を探しても長崎方面、もしくは佐賀市内には宿の空きがなかった。でも佐賀の南、柳川という町に空き宿を見つけた。



これで目的地が決まった。長崎ではなく、佐賀の南端の町、柳川に決めた。僕らは熊本に向かうのだ。



福岡からは国道3号線を南に向かえば柳川に着く。しかし、Googleマップを見ていると3号線の西側にある脊振山を見つけた。


九州西岸エリアは山岳エリアが少ない。ここの脊振山地、実は今回の旅においても貴重な山岳セクションな気がする。ここの峠を踏まなくていつ踏むのか、と相棒、アユミちゃんに相談すると



「いくつか峠がありますね。ここは踏みましょう。背振山の山越えで行きましょう」



よし、決まった。そのルートをPくんに伝えると、峠の手前に美味しいうどん屋があるので、そこまで僕も一緒に行きます、と言った。


え、Pくん、でも小径車だよね?遅れないでね(笑)



博多の市街地を抜け、街を離れると閑散としてきた。緩やかに斜度が増してきた山村の県道を進むと目的のうどん屋に着いた。


ライドした後の乾いた喉にいりこ出汁のうどんが染み入る。地図を見ると、既に僕らは背振山地の東端にまで入り込んでいた。



「いやー、自転車最高ですね。僕も欲しくなっちゃいました、700c」



そうだよ。最高なんだよ、旅は、自転車は。



「色々と世話になったね、ありがとう。鹿児島に着いたら連絡するから」



PSくんに見送られてうどん屋を後にした。


あいつは絶対買うな、自転車。ホント最高なんだ。そう、僕らは自転車伝道師。旅するバイシクル・メッセンジャーズなのだ、なんてね。




ぐいっ、くいっ、



ペダルを踏む音が僕とアユミちゃんの2台だけになった。あと数時間で僕らは峠を越えるだろう。



ぐいっ、くいつ、


僕らの前には1本の道がある。遥か前方に背振山脈が見える。僕らはあの山を越えるのだ。



Vol.3に続く