2024/09/06 20:23
ええい!これでもか!のろのろと快進撃を続けた台風9号とは裏腹にあっという間に過ぎ去った8月。
いつの間にか大人になってしまったので、眠気まなこをこすりながら近所の公園にラジオ体操を嫌々しに行ったり、親に怒られながらギリギリで夏休みの宿題をやったり、目の前に迫る新学期に憂鬱な思いをしなくなったけど、毎年夏の終わりはどこかちょっぴりおセンチになってしまう
が、初めてのバイクパッキングが楽しすぎておセンチになる暇もなく、次はどんな旅にしようかと9月になってもわくわくしている僕がいる。
そんな9月が始まって早々に新たな台風10号が誕生
わはは!どんな台風が襲来したって僕のバイクパッキングの思い出は吹き飛ばされないぜコンニャロ!
今回のブログはそんな8月の熱が冷めやらぬJMWスタッフのアツシによる東北自然歩道バイクパッキングの軌跡なのであーる。
本文。
「関所の狛犬が我々を見ているよ。堂々と凜と歩こう。ねむい。」
「親子揃って見てるね。背筋がのびるね。ねむい。」
笑顔で歓迎されているようにも見えなくもない
8月14日午前7時、僕と妻(敬意と愛を込めて、以下ミホさんと呼称)は東北自然歩道の起点である白河の関所にいた。
13日の夜に高尾を出発して那須高原SAで車中泊をしたのだけどホンダFITの車内で大人ふたりと自転車2台とバイクパッキングの道具たちとの雑魚寝は、それはもう快適とは遠くかけ離れていて全く眠れず寝不足全開。
明け方、寝ながら器用に自転車を組み立てるミホさん。
足元がおぼつかない僕らはそんな由緒正しき関所に着古したシャツと既に泥だらけのパンツをはいてうろうろしていたので、当時であればすぐさまひっ捕えられていたかもしれない。何やら衣食住をもりもり積んだ自転車も怪しさ満点だ。
だけどもそんなことはモーマンタイ!
これが目に入らぬか!とフレームに光輝く”surly”の家紋を見せればきっと話はすんなり通るだろう。
皆さんお察しの通り僕らは夏休みに東北自然歩道をバイクパッキングで旅をしにきた。
2022年の夏はPacific Northwest Trailという北米のロングトレイルを3ヶ月歩いた。
2023年の夏は沖縄を最北端から最南端まで150km歩いた。
そして来たる2024年の夏はどうする?
という僕の問いはミホさんには愚問だった。
OMM BIKEで湯を沸かすほど熱い自転車愛を大ヒットロングラン上映中なミホさんはこの夏をバイクパッキングでキメる気満々でいたのだ!
初めてのOMM BIKE。僕は出し切って満足だったのだが、ミホさんは「まだいけた…!」と来年に闘志を燃やしていた。
このビッグラブに僕も感化されすぐさま我ら初のバイクパッキングに相応しい舞台をリサーチした。
僕らの脳内Googleにぽわんと浮かんだ検索ワードは
涼しい 古道 人がいない うまい 涼しい
何だかんだあって運命的な出会いを果たしたのが東北自然歩道なのだ
東北だし涼しいし美味しいものもたくさんあるに違いない!
古道ではないけど「新奥の細道」として環境省が打ち出している東北自然歩道は歴史と文化を体感できるようなルートになっている。僕らの旅の大先輩である松尾芭蕉さんが歩いたルートも踏襲されているようで、福島、宮城、岩手、青森、秋田、山形をぐるりと繋いで距離は4369km。
え、4369mk⁇ちゃっかりPCTより長いやん‼
松尾芭蕉さんは2356kmを5ヶ月かけて旅したそうだ。当時の道具や環境を考えると凄いタフだったと思う。
何を隠そう東北自然歩道はバスや電車などの公共交通機関を利用することを前提にしたロングトレイル。
...ということはトレイルはもちろんロード(舗装路)も多い。
PNTや沖縄を歩いた時はロードも多かったが、聖司くんに馬鹿にされそうな”コンクリートロード”を歌って楽しんでいた。
トレイルを進むというより旅がしたい僕らにはロードだって関係なく楽しめちゃうのだ。
そして今回は何より自転車で走れる道が多いのは願ってもいない。もはやバッチコイ!
インスタのハッシュタグで東北自然歩道を調べても100件程。
大声では言えないけどみちのく潮風トレイルや東海自然歩道のようにガツンと盛り上がっている感じもない。
うんうん何だかしっくりくるぞ!
第ゼロ感がピンとキテいる!The First Bike Packingにうってつけだ!
僕らの旅の舞台はどーんとネームバリューのあるようなところではなく
なんというかこう…ひっそりとそこに佇んでいるような舞台に飛び込みたいのだ。
PNTは人も少なく孤独でピュアに自然と自分とお互いに向き合えた
よおし東北自然歩道!キミに決めた!
4日間夏休みがあるし、この夏は福島セクションを旅するぞ!
...と覚悟を決めたのは8月9日。
東北を直撃した台風7号が発生したのが8月13日。
そして白河の関所をスタートしたのが8月14日。
出発まで嵐のような怒涛の準備期間を乗り越え、台風7号と共に僕らは東北上陸。
「そろそろ行きまっかあ〜」
と寝不足でヘンテコなテンションのミホさんが発した関西弁風な一言が号砲となり、ふたりは各々愛車にまたがり、雨雲がのしかかる白河の関所をふらふらと飛び出した。