JINDAIJI MOUNTAIN WORKS

2024/12/16 16:16



まさかの月刊連載になってしまった福島タイフーン!
4日間の旅をここまで引き伸ばすとは…けど連載も今回含めて残り2回!

今回は猪苗代湖から桧原湖までのLake to Lakeの旅!
素敵な虹がぼくらをお出迎え。

涙ちょちょぎれる最終話も続けて大公開!

喜多方ラーメンすする君な第4回‼︎



何時だったんだろう。

夜中に目を覚ますと、昔プラネタリウムで見たような満天の星空が広がっていた。
幼稚園の時に見に行ったプラネタリウムの景色は30年近く経っても今でも瞼の裏に焼きついている。
寝ぼけ眼にはあまりに眩しくて思わずぎゅっと目を閉じてまた寝てしまった。


ギャー!ギャー!


世紀末のように物騒な絶叫が猪苗代湖に木魂した

AM 4:30…くらいだったと思う。



海や川と違って水が織りなす音がほとんどなくそれは静かな朝だった



湖のほとりにサギみたいな大きい鳥が大群で静かに直立不動で佇んでいた。

他に動物はいなさそうだし、隣人もしんとしているので恐らく彼らだろう。


彼らの鳴き声だったのかどうか確かめたくて、そろりそろりとじりじりと距離を詰めていった。

しかし我輩ご自慢の90年代アメリカ製旧ロゴガムソールのChacoがバキッと枝を踏み鳴らしてしまった。


あんたなんかの為に鳴きゃあしないよ。


と言わんばかりに目を合わせることもなく、大きな翼を広げて朝日を背に浴びながら西の晴れ間が覗く空に飛び立っていった。



奇遇ですな!ぼくらもこれから西に向かってペダルを踏むぜ!アディオス!


そんなキザな言葉を心の中で呟き、昔ジュラシックパークで見たプテラノドンのごとくダイナミックに飛んでいく彼らの後ろ姿を見送った。


みほさんはもくもくと準備を始めていた。




猪苗代湖のほとりはリゾート地のようになっていてキャンプ場や別荘、ホテルなんかがあったりしたが、中禅寺湖のように活気はなかった。


本当に良い意味でMellowな感じだった。


なんだかちょうどいい感じでボートやサップで遊んでいる人、キャンプをしている人、地元の人、失礼かもしれないけど変に盛り上がっていなくて肩に力が入らないくらいの空気感。


ぼくらが泊まったキャンプ場も無料だったし、このままの雰囲気であって欲しいなぁとわがままなことも思ってしまった。


グラベルも楽しめちゃう。怖い〜!と言いながらも湖のほとりを爆走するミホさん。


ポツンとホテル。乙なのだ。



いい感じの道を見つけたら寄り道しちゃうスタイル。そういうスタイル。




そんなこんなで雲行き怪しくも、なんだか居心地の良い猪苗代湖に別れをつげ、赤べこが待ち受ける会津に突入した。


お昼ご飯を食べるには早いし、特に何をするわけでもなかったけどぼくらのローカルスーパーセンサーが反応してしまい、会津若松にお店を構えるpivotへ飛び込んだ。


福島を中心に4店舗のみ存在するローカルスーパーなのである




福島「はいはい。これは良いローカルスーパーですわ。」


とすぐさま店内の様子から全てを把握するミホさん。


彼女のいう通りローカルフードをたくさん取り揃えており、まだご飯を食べる気がなかったというのに切昆布煮のおにぎりとべこの乳ヨーグルトをGETした。



どちらもとても美味しくて関東に進出してきて欲しいと思った。

いや…それは無粋である…‼︎

北海道が誇るセイコーマートことセコマのように現地で味わうのが乙なのかもしれない。

pivotよ。福島で永遠に‼︎

ナイスアートに水をさすぼく


pivotのすぐそばに店を構えるラーメン二郎に吸い込まれそうになるも、ミホさんの鉄壁ディフェンスに制されあっという間に喜多方に到着。

そう喜多方である。
そう‼︎喜多方ラーメンである‼︎

白河ラーメンをお預けされたぼくらは喜多方ラーメンに猛烈に燃えていた!
喜多方ラーメンといったら、坂内食堂しかない‼︎

進撃せよーーー‼︎



眼前には100人を越える長蛇の列…お盆の坂内食堂は夢の国の開園前と同じくらいの並びを作っていた。

無情にもファストパスなんてものはなく、このまま並んだら3時間待ちは必須とのこと。

夢の国にゃあ神も仏も居やあしねぇ…

唇をぎゅっと噛み締め、涙が出るのを堪えるのに必死だった。

ぼくの肩を叩くミホさんは力強く前方を指差した。

そこにはこじんまりと角に佇む喜多方ラーメン屋さんがあった。
その名も「喜多屋」

黙って2人で頷き、その店に飛び込んだ。

もう多くは語るまい。
画面の向こうのみなさまも思わずゴクリと唾を飲み込んだはず。

誰がなんと言おうと今回の旅のナンバーワンご飯になったのだ。


餃子もとびきり美味しかった。

後1日旅は続くのに「最高の旅だった…」と締めくくりそうになった。


が!これから桧原湖まで峠を越えなければいけない。

が!その前に晩御飯を調達しなければいけない。

ということで峠の途中にある商店に息が上がりながら入店。
地酒やカップ麺、菓子パン、お菓子が一通り揃えられていて旅人にはオアシスのようなところだ。

お会計の時にはちょっぴりおまけをしてくれた。

こういう時に、「得してラッキー」と思うのではなくて「ありがたいなぁ。温かいなぁ。」と素直に思える自分たちに拍手を送りたい!

拍手!!

旅と良い商店は不滅のコンビ。



今日のキャンプ場はいくつか目星をつけていたが、喜多方ラーメンに舌鼓をうっている間に時間が思ったより押してしまい、受付時間ギリギリになっていた。

「17時過ぎちゃうと思うんですが…」とダメ元で何軒か連絡した。
すると「大丈夫ですよ。気をつけてきて下さいね。」
と、心優しきキャンプ場オーナーの方が現れたのだ!


距離は残り15キロ、登りは500m…
喜多方ラーメンでハイオク満タンになったぼくらを止めるものは何者もいない。

ミホさんのメトロノームダンシングが唸り、
ぼくのカラテモンキーは待ってました!と言わんばかりに坂道を駆け上がった。

キャンプ場までノンストップ止まらねぇぜ!なぼくらだったが道の駅の”山塩ソフト”なるのぼりを見つけるやいなや、ペダルから足をおろした。


大塩裏磐梯温泉の温泉水を煮詰めて作る山塩が入っている。満場一致で人生No.1ソフトクリームになった。



「わわっ!虹だ!」

その日のピークをクリアしたぼくらを七色のアーチが出迎えてくれた。

レンズには収まりきれなかったが綺麗な半円の虹を見ることができた。



虹を見る時の気持ちは子供の頃と変わらない。

何回見ても綺麗だと思うし、年老いてもこの感動は色褪せないでほしいし、虹ができる仕組みなんて知りたくもない。

ずっと不思議でハッピーな存在がいいのだ。

そして虹を見るたびに小さい時に駄菓子屋でよく買っていた3色ガブリフーセンガムを思い出してしまう。

今度見つけたら食べよう。


コワモテだが心優しきオーナーが営む庄助キャンプ場に到着したぼくらは深々とお礼をして豪雨に備えてせっせとタープを設営。


わはは。小慣れたモンですヨ!


雨かぜを凌ぐために長辺をペグダウン。

自転車の大きさが違うのでシワが入ってしまったが雨の侵入を一切許さなかった。

昨晩も湖畔。今夜も湖畔。Lake to Lakeはとてもお洒落でなぜだかスナフキンな気分で、勝手に北欧の風を感じていた。

そして今夜も缶ビールをプシュぷはー。


「明日で終わるでな。」

「けどなんだか寂しくないね。」

「そういえば、そうかも。」

まだまだぼくらは旅の終わりを実感する余地なんてなく、今晩の宴会と明日の残された旅が楽しみで楽しみで仕方がなかったのだと思う。

「今日の虹は綺麗やったね」

「ラーメンも最高だったね。また食べたい。」

「山塩ソフトもまた食べたい。」

「猪苗代湖から会津に向かう坂道めっちゃ長くてめっちゃ良かった。」

「今夜も雨だし、明日も雨だね。」

「まぁいいんじゃないの〜。」

雨が降っても槍が降っても台風が来ても、明日も楽しくなることがわかっていたぼくら。

雨が降ったらまた虹が見られるかもしれない。

そんな風に思えれば雨予報の旅だってへっちゃらなのさ。

最終話につづく